「カレー屋ブンちゃん」は、少しさびれた商店街にある、庶民的で風情のある昔ながらのカレー屋さん。その店で調理師見習いとして働く智恵子は商店街の人気者で、みんなからチャコちゃんの愛称で親しまれていた。ある日の午後いつものように、商店街の人々が店内で歓談していると、突然店に二人の男女がやってくる。二人は今度商店街の一角に建つ「カレーの王者」という大手カレーチェーンのオーナー瀬戸真弓と専属コックの速水洋司だった。二人と面識のある「カレー屋ブンちゃん」の常連客・石坂は、チャコや店にいる商店街の人に二人を紹介しようとする。しかし真弓はそんな石坂を制止し、自分が今度建てる「カレーの王者」の自慢話を始める。そしてそればかりではなく店の悪口まで言い出し、敵対心むき出しで店を出て行く。その後「カレーの王者」は順調に客を集め、その逆に「カレーのブンちゃん」は客を取られ閉店間際まで追いこめられてしまう。そんな状況に「カレーのブンちゃん」料理長は店を畳んでしまおうとすっかりやる気をなくしてしまうのであった…